ど大きくなります。このことから、中心気圧を解析することによって中心付近の最大風速を求めることができます。
このような解析において、はるか洋上に台風がある場合あるいは発生が予想される場合には、船舶実況は貴重な資料となっています。また個々に報じられる船舶実況も総合するとさらに威力を発揮することになります。

<図1>実況通報からの台風の中心位置と中心気圧を求める方法

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四、衛生画像による台風解析
気象衛星「ひまわり」で得られる雲画像によっても台風解析を行っています。ここでは、強さの解析についてその概要を述べます。台風の雲分布の形状(雲パターンと呼ぶ)は、台風の強さに伴って変化します。この雲パターンの変化を利用して強さを推定する手法が、一九七〇年代に米国で開発されました。開発者の名前から「ドボラック法」と呼ばれ、現在では各国で共通して利用されています。
図2は、ドボラック法における可視画像の代表的な二通り(A,B)の雲パターンの変化です。白抜きの部分が雲パターンを示し、台風の発達に伴い左(T1)から右(T6)へ変化します。右になるほど強い台風の雲パターンとなります。図に示される台風の雲パターンの変化の特徴は次のようになります。
T1〜T3
発生期の雲パターンで、雲が組織化し次第に湾曲したバンド状となる。
T4
発達期の雲パターンで、雲バンドの湾曲がさらに強まり中心部に雲のない領域(台風の唄となる)が形成される。
T5
最盛期前の雲パターンで、CDO(注1)が現れ、中心部に眼が存在する。
T6
最盛期の雲パターンで、CD0の緑が際立つようになり、眼(図に黒点で示す)が円形で明瞭となる。
ここでは、標準的な雲パターンの変化を示しましたが、ドボラック法ではこれ以外に四通りの変化(二十四の雲パターン)が提示され、雲画像から台風の強さを判断する基準となっています。このほか、赤外画像を用いて客観的に解析する手法もドボラック氏によっ

 

 

 

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